<音の絵>との出会い
とあるイベントで<音の絵>代表の間野菜々江さんをお見かけして、声をおかけしました。
「もめん畑の福原です。ぜひ一緒になにかさせてください。」
それがはじまりです。
<音の絵>は、レースのテキスタイルを岡山県赤磐市の工場で作っています。
レースといっても、エンブロイダリーレースという種類のもので、生地に刺繍を施したものです。
もめん畑ではもともと刺繍レースの生地を扱ってきました。
プリントにはない立体感や、一目一目の糸の質感が、私も母も大好きです。
そんなレースを作る工場がまさか岡山にあって、
職人の仕事を一つでも多く世の中に送り出すことを使命のように果たす女性がいることを知った時には、
憧れのような、ちょっと嫉妬のような、痺れる思いがしました。
目の前にその人があらわれたとき、気づいたら声をかけていました。
つぼみがぐうんと膨らむような、そんな出会いだったように思います。
<音の絵>の初めての展示会をもめん畑で開催したのは2016年4月のことです。
それ以来、定期的に展示会をさせていただいたり、一緒に出店をしたり。
<音の絵>のおかげで出会えたお客さまもたくさんいらっしゃいます。
港町の小さな手芸店で、<音の絵>の素晴らしいテキスタイルを扱うことができること、あの日勇気を出して声を掛けて良かったなぁと思います。
<音の絵>間野菜々江さん
<音の絵>のアトリエも、岡山県赤磐市のレース工場のご近所にあります。
温暖で自然豊かな郊外のベッドタウン、桃やぶどうなどの果樹栽培が盛んな土地です。
丘の上の住宅地、民家の合間に、「ぼあーんぼあーん」の暖簾が掛かります。
間野菜々江さんは30年間、ベビー服やランジェリー、ナイトウェアのデザイン・縫製のお仕事をされてきました。
その中で出会ったエンブロイダリーレース、それを生み出すレース工場の技術や職人に惚れ込み、オリジナルのレーステキスタイルを作り始めました。
ほんとうに少女のように可愛らしく、丁寧さに妥協のない方です。
間野さんが<音の絵>の生地で作るお洋服や小物を初めて見た時、縫製の美しさや使う人のことを想う細やかな気遣いに心を奪われました。
<音の絵>のレースは間野さんのお人柄そのものだと、いつも思います。
心が動く、現代のレーステキスタイル
<音の絵>のレースの原画は、イラストレーターやテキスタイルデザイナーの方に描いていただきます。
本来は、レースの原画を作る職人さんがいるくらい専門的で制限のあるものなのだそうです。
その枠を飛び越えて、自由な発想で作られた画だからこそ、
「わ!可愛い」「こんなの見たことない!」「手元に置いておきたい」と素直に心が動きます。
「こんなレース作れるわけない」と言いながら、実現する職人さんの情熱と高い技術力の賜物です。
人の心を動かす美しいテキスタイルを作り、レース織機を動かし続けること。
間野さんのビジョンに、私も伴走したいと思うのです。
音の絵
住所:〒709-0802 岡山県赤磐市桜が丘西1丁目9-7
TEL:086-958-5278
URL:https://www.facebook.com/mano7e/
出版:間野菜々江「夜中にミシンを踏みながら」(吉備人出版)